自然薯はなぜ高価なの？

昔、三重県の田舎にいるときは、近所のおじさんが自分で採った自然薯（じねんじょ）をおすそ分けで持ってきてもらったりと、年１度は、食べていた思い出があります。

ご存知の通り、すっごい粘りですよね。

喉に詰まりそうな恐怖感もあるので、出汁（だし）を自然薯と混ぜつつ、食べやすいところまで粘り気を抑えながら、ご飯にかけて食べるのがとても美味しかったのを覚えています。

なかなか大阪では、自然薯を売っているところも少なく、普段は山芋を食べることが多いですね。

最近の年１回のお楽しみは、三重県の実家でお正月に食べる伊勢芋です。

伊勢芋も自然薯ほど粘り気はありませんが、とてもおいしいですよ。

伊勢いも（いせいも、伊勢芋）は、原産地の三重県多気郡多気町津田地区を中心に江戸時代中頃から栽培されるナガイモ（つくねいも）の一種。みえ伝統野菜品目の一つ。かつては津田芋、松阪芋などと呼ばれていた。また愛知県の大府市では「木の山芋」として栽培されている。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

ところで、自然薯は結構お値段が張って、山芋の３倍以上はします。

ではこの自然薯、なぜ高価なんでしょう？

自然薯は、天然のものもありますが、人工栽培もされています。

ですが、どちらも栽培の方法もほとんど手作業によるものなのです。

さらに自然薯は、水はけが悪いと形が悪くなったり、成長が悪くなったりします。

そのため人工栽培時には、一つ一つ自然薯を長いトレーにのせ、袋で巻いて、水はけを良くして、土に埋めたりと、かなりの手間がかかります。

天然の自然薯が形が悪いのは、水はけが悪いからなんですね。

そして掘り起こすときも丁寧に一つ一つ手作業で掘り起こすのです。

やっぱり美味しいもの。手間がかかるもの。

比例してお値段は高くなりますよね。

自然薯と山芋の違いは？

自然薯とは、山芋の一種で、山芋の中に自然薯も含まれます。

スーパーで山芋と呼ばれているものは、よく見る長芋や粘り気が多いものでは大和芋というものが多いようです。

自然薯の見た目は黒っぽくヒゲが多いのが特徴。

そして粘り気がかなり強く、普通にすりおろしただけでは、ごますり器をひっくり返しても、一切落ちてこないくらいの粘り気があるものです。

自然薯のネバネバの成分はムチンといいます。

このムチンは目や鼻などの粘膜を守ってくれます。

人間にとって、とても大切なので、ムチンは積極的にとりたいですね。

ただ、山芋を調理するときに結構かゆくなることありませんか？

実はこれは、どのご家庭にもある調味料で軽減できます。

その調味料とはお酢です。

山芋を触る前に酢水で手を濡らしてから山芋を触ると軽減されます。

山芋はアルカリ性ですが、お酢は酸性。

酸性のお酢で手を濡らす事によって、かゆみが中和されるのです。

自然薯のオススメの食べ方は？

自然薯などの山芋に含まれるムチンは火に弱く、生でたべるか、加熱は最小限がおすすめです。

また山芋の部位の中でも、切り分けて売られている場合、見分け方としては、細い先端の方がねばりけが強く、その分アクも強いのです。

ご自身のお好みによって、どの部位を使うか決めましょう。

自然薯を食べるときは、皮ごと食べれば、栄養価も高いので、ガスコンロなどで、ヒゲを焼いて、皮ごとすりおろすなどして、食べるのがオススメです。

自然薯をごますり棒で混ぜるときは、最初は塊をつぶしながら横方向にしっかりまぜ、最後は縦方向に回転させて空気を入れながら混ぜましょう。

空気を入れることによって、さらになめならかになります。

自然薯の栽培農家の人のオススメの食べ方は・・・。

自然薯を入れた卵かけごはんが抜群とのこと。

卵の黄身一個と、黄身と同じサイズぐらいの自然薯をご飯にかけて食べるのがポイント。

自然薯が掘り起こされるのは１２月いっぱいですが、最大６ヶ月は保存されます。

ということは、５〜６月くらいまで、まだまだ自然薯にありつけそうですね。

もし自然薯を見つけたら、自然薯１と卵黄１のかけご飯、ぜひ試してみてください。